ITANDIインタビュー 『株式会社コドエーヌ 草薙尚子 代表』

草薙尚子社長の名刺には、こんな言葉が書かれてある。

女の子の
女の子による
女の子のための
お部屋探し

このキャッチフレーズのとおり、女性ならではの感性を生かした事業を展開する、株式会社コドエーヌ。同社は賃貸だけでなく、不動産の売買やリフォームなども手がけている、住まいの総合コンサルティング会社だ。

女性でありながらも不動産業界で活躍する草薙社長に、起業するまでの経緯と、これからの事業構想をうかがってきた。

結婚・出産、そして離婚。専業主婦から起業するまで

――まずは、コドエーヌを起業するまでの経緯をおうかがいできますか?

 はい。私は専業主婦からいきなり不動産屋になったという経緯があります。というのも大学を卒業してすぐに結婚・出産をして、就職もせず、社会に出ることもなく専業主婦をやっていたんですね。しかし価値観の相違などが原因で離婚をしてしまい、それが確か2 6歳のときだったと思います。

――離婚後、なぜ不動産業界に?

離婚後 何をしようかと考えたときに、実家の父や母に相談をして、まずは資格を取ろうという話になりまして。運転免許も持っていない状態だったので、運転免許と秘書検定と、宅建(=宅地建物取引主任者)を離婚直後に一気にとりました。

――数ある資格の中で、なぜ宅建を選んだのですか?

宅建は、一生使える国家資格なので。剥奪されることのない資格ですし、やっぱりやるからには、大きな仕事がしたいと思ったんです。

それに父が昔、不動産関係の会社をやっていまして。私が離婚した当時はもう不動産ではなく、建築のみの会社だったんですけれども、それとは別に父が代表の休眠会社があったので、そこに私の宅建の資格を持って、宅建業の免許を取ったというのがスタートですね。

最初の1年は大手の不動産会社で、住宅ローンのとりつけや契約書をまとめる修行をしていました。知り合いの紹介でアルバイトをしていた会社では、1棟ビルなどの大型物件やマンションの売買、一般的な賃貸を経験して、現在ではそれを活かした業務に加え、土地を仕入れて家を建てて売るという建売の分譲もできるようになりました。

――専業主婦から、いきなり社会に出て働くのは大変だったのでは?

最初は、「お世話になっております。○○の草薙です」と電話に出るのも緊張していました。大手企業のある超高層ビルに行くのも怖かったですね。名刺交換などのビジネスマナーも知らない状態だったので、「うぅぅぅ。新宿西口怖いよ」と思っていました(笑)

――勝手な思い込みかもしれませんが、不動産業界は男性社会というイメージが強いです。不動産業界に進むことに対して、迷いはなかったんですか?

もう、やるしかないという気持ちが強かったので。それに自分の力で何かをやるとなったら、全力でやって、それなりの成果を得たいと思ったんですね。「歯車」で終わりたくないというか、やりがいというか、そういうものを求めたかったんだと思います。

――だから会社員として就職するのではなく、起業という道を選んだんですね。

そうですね。実際に不動産は、とても達成感のある仕事です。

――起業してからは順調でしたか?

最初はお化け屋敷みたいな、床が抜けそうな事務所からはじまりました。

でも不動産業界に入ってからすぐに、宅建協会の役員になったんですね(笑)やはり女性が珍しかったのか、そういう公の職に呼んでいただいて。

そこで60代・70代くらいの社長さんたちに、「不動産業とはこういうもの」というのを叩き込んでもらいました。みなさんびっくりしながらも、娘のようにかわいがってくれまして。最初に接した方々がすごくいい方達だったので、とてもラッキーだったと思います。

――どういう風にして、事業を軌道にのせていったんですか?

がむしゃらに、何でもやりましたね。同級生には、「賃貸なのか仲介なのか売買なのか。最終的な目標や、短期・中期的な目標がなかったら会社は成り立たない」と言われたこともあったんですが、当時はそう言われても、何ができるのかもわからない状態で。だから「やっていくうちに見えてくることがきっとあるから、今は目の前のことをやるだけ」という感じで、本当にがむしゃらに何でもやりました

でもその結果、知識も経験も積むことができて、今があります。

目標を立てなければというプレッシャーで自分のモチベーションを下げてしまうくらいだったら、見切り発車でもまずは進んでみる。計画を立てなければ動き出さないというのではなくて、動きながら計画を立てていく。そういうことも、ゼロから出発する人には必要なんじゃないかなと思っています。

――まずは踏み出して、走りながら考える。そういうことも大切ですよね。

はい。きちんと経験を積んでいけば、自然にやりたい事業や目標というのはできてくるので。これが正しいのかはわからないですけど、いろんな形があっていいのかなと。どこを通ってでも、最終的に自分が納得のいく地点に辿りつければ、それでいいのかなと思います。