インテリア業界の最新トレンド デジタルプリント壁紙の最前線

壁紙は、カタログを見て選ぶ時代から、自分でデザインする時代へ――。
インテリア業界の最新トレンド、デジタルプリント壁紙の可能性とはどんなものなのでしょうか。世界で初めてデジタルプリント壁紙の製品化を実現した、リンテックサインシステムの代表取締役社長 小島一仁さんにお話を伺いました。

オリジナル壁紙を楽しむ時代

――インテリア業界では「デジタルプリント壁紙」が最新トレンドとして注目されていますね。

「リンテックサインシステムは、15年前に、世界で初めてデジタルプリント壁紙を製品化しました。これまでの壁紙は、グラビア印刷機という専門的な機械で、連続柄を同一パターンで、大量に生産する方法が主流でした。一度生産すると、大量の製品ができてしまうので、流通や保管の問題から、デザインバリエーションは自ずと限られていました。デジタルプリント壁紙は、プリンターでお好きなデザインを小ロットで生産できる画期的なシステムです。ご家庭のプリンターで、好きな写真をプリントする方法と概ね同じ工程で、壁紙をプリントすることができるのです」

――リンテックサインシステムさんは、デジタルプリント壁紙の制作の他、デジタルプリント壁紙を制作するために必要な、プリンター/壁紙/インクなどをトータルで提案したり販売しています。オーダーメード壁紙は1メートルから制作できます。部屋の一面だけ、オリジナルデザインの壁紙にするなど、インテリアの可能性は大きく広がるでしょう。

美術作品を壁紙に!?

――美術作品を壁紙デザインに取り入れることができるサービスがあるそうですね。

「フランス美術連合や東京国立博物館コレクションなどとライセンス契約をして、美術関連データの使用権を持っています。ですから、美術作品を壁紙デザインに引用することができるのです。印象派の画家モネ、アール・ヌーボーの画家ミュシャをはじめ、尾形光琳や葛飾北斎などの名だたる作品を壁紙にして、ご自宅で楽しむことができます」

■アルフォンス・ミュシャ『四芸術 音楽』

――まさかこんなデザインが壁紙になるなんて!

「デジタルプリントの良いところは、あなたの家の間取りや寸法に合わせて、データを加工できることです。好きな絵画のポスターを買っても、飾りたいスペースにサイズがピッタリということはそうそうありませんね。デジタルプリント壁紙では、サイズや色味をデータ加工してプリントすることができます。拡大も縮小も自由。好きな絵を飾りたい壁にピッタリな壁紙を創ることができるのです」

日本製ならではの万全の安全基準

「室内環境は人間の健康に深く関わります。デジタルプリント壁紙も、単に壁紙専用のプリンターを導入すればよいという話ではありません。素材の不燃性が高いことや、ホルムアルデヒドをはじめとする化学物質が住む人に影響を与えないかという安全性は十分考慮されるべきです。リンテックサインシステムでは、すべての製品について、安全・安心を基本として、建築基準法に準拠した防火認定や建築基準法で規定されているホルムアルデヒドの環境基準をクリアしたF☆☆☆☆認定を取得しています」

――インテリアの世界もグローバリゼーションが進み、壁紙もいろいろな国から輸入されるようになりましたね。安かろう悪かろうで日本の安全性基準を満たさない製品も出回っているようです。実は、食べ物と同じくらい壁紙も、原材料や製産地について消費者がチェックしなければならないのかもしれません。

インテリアをもっと自由に楽しく

――お仕着せのインテリアではなく、心地のよい住まいは自分たちで工夫して実現させる。そんな考えが当たり前になりつつあります。最近では、新しい商品やサービスがつぎつぎと開発され、賃貸生活でも、貼って剥がせる工夫で好きな壁紙を貼ったり、畳の部屋をフローリング風にDIYできるようになりました。
壁紙をデザインからDIYする、そんな時代がやってきているのです。

text/N.Nanayama

リンテックサインシステム株式会社