ITANDIインタビュー 『川辺直哉建築設計事務所 川辺直哉 代表』

ITANDIインタビュー 『川辺直哉建築設計事務所 川辺直哉 代表』

港区・白金高輪にある川辺直哉建築設計事務所— コンクリートの量感に包まれ、カーテンを揺らす風や午後の柔らかな光を感じるオフィスは、穏やかで柔和ながら芯のある川辺氏の人柄を表すようだった。

本インタビューでは、川辺氏に「建築家」というプロフェッションについて、語って頂いた。お話を聞く中で、川辺氏は社会との関わり方において、日々の生活から仕事まで、一貫した“姿勢”を持っているように感じた。
同時に、それは人との繋がりの中で生きる我々にも通底する、普遍のテーマでもあるように思えた。

「Platform」 — 建築情報をフラットに並べるWEBサイト

――川辺さんの事務所の自社サイトである「Platform」は、トップページから建築の進捗状況など「建築の裏側」が見られる作りになっていて、とても興味深いです。なぜこのようなサイトにされたのですか?

事務所開設時は、単純に手がけた建築作品を紹介するだけの、ベーシックな建築事務所のWEBサイトでした。それを現在の形態「Platform」としてスタートしたのは2年前です。

その動機としては、当時うちの事務所は賃貸住宅の設計が多かったのですが、設計が終わった後も住宅のオーナーさんとコミュニケーションを取る中で、僕達がどうやって建築と付き合っていくか、どうやってその建築が出来上がっていくか、ということを共有してもらえたらいいな、という思いからでした。

「Platform」という名前は、今はひとつの設計事務所のWEBサイトに過ぎないですが、いくつかの設計事務所で情報をアップできて、それを見にお客さんが集まってくる“プラットフォーム”のような存在になっていけばいいな、と思いで付けました。なので、情報のアップを簡単にするためにシステムには結構こだわっていて、ウェブデザイナーと1年以上打ち合わせをしてつくりました。

特に、「情報をフラットに並べる」という点には気を使っています。作品紹介、現場検査の記録、メンテナンス、オーナーさんとの会合報告など、すべて一緒くたに並べる、というのが狙いです。見たいもののカテゴリーを選べば、その情報だけが集まってくるように簡単なソーティングもできるようになっています。

定期的にリフォームするようにしていて、使っていて違和感のあるところを直して、育てていく感覚でやっています。今年の春にもマイナーチェンジする計画を立てています。

――WEBサイトへかけられている熱意が伝わってきます。やはり自分達のお仕事を人に見てもらう、ということにはかなり意識を向けられているのでしょうか?

そうですね。アクセス数やSNSでの反応は気にしています。どんなタイミングにアップすればPV数が上がるか、ということを気にしてみたり。例えば月曜の朝に仕事前に見る人が多いだろうから、日曜の夜にアップする、など・・・

――IT企業並みの姿勢ですね!(笑)

(笑) サイトを作るからには、そういうことを意識したほうがいいのかなと。建築設計のことだけを考えているのではなく、使っていきながら直せて、皆さんの動きに合わせてこちらのリアクションを変えていける、という。

実際に、サイトを開設してから「住宅を建てたい」という問い合わせを頂くことは増えました。また、一般ユーザの方以外にも、建築家の人達にも結構見て頂いているようです。