人生を変える部屋づくりの「ヘヤカツ」岩崎夏海さんがリノベーション物件をプロデュース

ベストセラー作家であり、部屋を活かして人生を変える「ヘヤカツ・部屋を考える会」代表としても積極的な活動を行う岩崎夏海さん。HEYAZINEでも、以前ヘヤカツについてインタビューをさせていただいたが、今回岩崎さんが賃貸物件のリノベーションを手がけたという情報をキャッチ。物件を拝見させていただくとともに改めてお話をお伺いしてきました。また、今回は特別にパノラマ写真でお部屋を撮影させていただきました。

新しいヘヤカツを提案する「賃貸リノベーション」

室内のパノラマ画像

 

 

―リノベーションをプロデュースされるきっかけを教えてください。

ヘヤカツを新たな形で提案したいと考えていた時に、ちょうどこの物件に出会いました。都心には珍しく、窓がとても大きく印象的で、その時に「この窓側にお風呂をつくったら気持ちいいだろうな」とアイディアがひらめき、ヘヤカツのメッセージを届ける一つの方法としてリノベーションをプロデュースすることにしたんです。

1番のポイントはホテルのお風呂をイメージして、ガラス張りのお風呂をつくったことです。広さを考えるとありえない大きさのバスタブを導入しました。バスタブに入ると小さなマンションは視界から消えて、キレイな六本木方面の夜景だけを見てゆっくり入浴することができます。周辺にもマンションがあるので、もちろん自由に目隠しできるようにスクリーンも取り付けました。このお風呂はお部屋の単なるサプライズ的な意味合いではなく、ガラス張りにすることで、部屋の中までしっかり光が届き、見えることで掃除もこまめにするようになる、お風呂に入るのが楽しくなるのでシャワーで済ませることが少なくなるなど部屋を活かすというヘヤカツへの効果も狙っています。

 

部屋のなかでもっとも日当たりのいい位置にバスルームを。夜は夜景も楽しめる。

――お風呂の他にも、ワンルームだったお部屋にあえて間仕切りをつくって部屋を分断させるなど、個性があるのに、とても住みやすさを感じさせてくれる間取りですね。

以前の間取りは、玄関を開けてすぐにユニットバスがあり、部屋は左側に抜ける形で全体が筒抜けでした。宅急便が来て玄関を開けると部屋が一望できてしまうというワンルームマンションがよくありますが、特に女性は気になりますよね。そこで、玄関側はシュークローゼット、部屋側はクローゼットとなる大きな収納で部屋の目隠しと分断を行いました。キッチンの前にはダイニング、奥にはベッドや仕事机を置くことをイメージしています。というか、そうするしかないといった方が近いかもしれません(笑)。間取りが自然と部屋の使い方と家具の配置を決めてくれると、考える手間も省けますからね。

玄関からは部屋の奥が見渡せないのでベッドルームなどのプライバシーを守れる。ガラス扉の奥がバスルーム。

掃除がしやすく、生活しやすい細やかなヘヤカツ的気配り

―ヘヤカツの視点におけるこのお部屋の特徴はなんですか?

玄関入ってすぐの洗濯機にはあえて目隠しの扉などはつけませんでした。これは、収納につい物を溜め込んでしまう、見えないから洗濯物をためてしまうということを予防するためです。最近の洗濯機はすごくデザインもおしゃれで、見えていても問題ありません。本来は水を使うものですから、あまりしまい込むようなものではなく、換気がしっかりできることが清潔なんです。また、目隠しされてしまうとそこについいろいろと収納してごちゃごちゃになってしまうもので。見えることで、洗濯をこまめにしようという気持ちにもなるし、結果として清潔な暮らしを維持できるようになります。また、部屋の中心のコンセントをつけて、ここのコンセントを使えば掃除機で部屋の隅々まで大体掃除が行き渡るということも意識しています。ヘヤカツのメインテーマでもある「掃除の流れのある部屋」というのも実現しています。

―確かに一見、収納が少なさそうですが、各場所に必要な収納スペースがきちんとついていますね。

お風呂場には、洗濯物のバーをつけています。これは日当たりがもっとも良い場所ですから当然ですね。あと、洗濯機の上にも棚をつけて洗剤などを置けるようにしています。キッチンも一見はシンク下の収納しかないように見えるのですが、上部にお鍋などを置ける棚を上部につけて、ツール類を引っ掛けられるバーもつけました。前に窓があったので、収納でそれを潰したくなかったんです。ルーツをかわいくかければカーテン変わりにもなりますし、今はひとり暮らしとは家自炊の人が多いですから、使い勝手は重視しましたね。大げさでないけれど、きちんと役割を果たしてくれる収納があれば、むやみに収納をつけたり、買い足さなくても十分活用できるんです。

良いところを伸ばすオンリーワンのリノベーションが必要

―今回のリノベーションを通して、岩崎さんが今の日本の賃貸・住宅事情で感じられた問題点というは何ですか?

フレキシブルに対応できるように作られ過ぎていて、結局どう使ったらいいのかわからない部屋が多いということです。部屋作りにコンセプトがないんですね。居室をできるだけ広くとか、収納を多くとか、大勢の人が気に入ってくれるようにという視点で作られた部屋ばかりで、正直どこの部屋も大差がありません。そうすると、選ぶ方は値段で選ぶようになる。できるだけ広い部屋で、できるだけ安いところというように、価格破壊が起きてしまうんです。

――これからのリノベーションに大切なことはなんですか?

新築マンションを一気に売るとなるとまた別かもしれませんが、1部屋には結局1人しか入居できないわけですから、そこまでターゲットを広くする必要はないと思うんです。たとえば部屋選びには立地も大切になってきて、ある程度その立地や広さで住む人のイメージが湧いてくるものです。ですから、ある程度絞った人に向けて、この部屋に住むとこんな暮らしができますよ、ということを部屋の長所を伸ばしながら誘導してあげられる部屋づくりが、これからもっと必要なのではないかと感じています。

 

PROFILE

岩崎夏海
1968年、東京出身。東京藝術大学美術学部建築科卒業。1991年、秋元康氏に師事。以降、放送作家として多くのテレビ番組制作に携わる。2009年、初めての著書『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』がベストセラーに。部屋から人生を変えるという「ヘヤカツ」を提案し、著書「部屋を活かせば人生が変わる」は、発売以来重版を重ね続けている。
岩崎さんのヘヤカツリノベーション、プロデュースのお問い合わせはこちらまで
genjiyamaro@gmail.com担当:須藤

ヘヤカツ.com 
「部屋を活かせば人生が変わる」

 

東京のパノラマ写真掲載物件一覧