シリコンバレーで起業した全ベンチャー企業の半数以上は、移民が創業メンバー。

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(Pic by Flickr)

日本では超高齢化社会と少子化現象の影響を受け、移民の受け入れについてよく議論されていますが、実質的な数字は、先進国の中でも最も低い1.7%で、東京の街に少しずつ外国人が増えているとはいえ、日本はまだまだ移民にフレンドリーな国だとは言えません。

イノベーションを起こし続ける国、アメリカの移民の割合は12〜13%前後で、さらにカリフォルニア大学バークレー校のエンリコ・モレッティ教授によれば、移民が起業する確率は、非移民に比べて3割も高いことが分かっています。

↑グーグル創業者のセルゲイ・ブリンも旧ソビエトからアメリカへ移住。(Pic by Flickr)

移民はブルーカラー労働者というイメージが、歴史上根強かったかもしれませんが、トロント大学のリチャード・フロリダ氏によれば、過去20年間にシリコンバレーで起業した全ベンチャー企業の半数以上は、移民が創業の中心メンバーになっており、グーグルのセルゲイ・ブリンはもちろんのこと、ホットメールのサビア・バティアはインドのバンガロール育ち、ヤフーのジェリー・ヤンは台湾生まれ、イーベイのピエール・オミダイアはフランスのパリ生まれと例を上げればきりがありません。

↑シリコンバレー企業の創業メンバーは半分以上は外国から移民。(Pic by Flickr)

特にSTEMと呼ばれる、科学(Science)、技術(Technology)、エンジニアリング(Engineering)、そして数学(Mathematics)の知識やスキルの需要は高く、これらの学位を習得した外国人がそのままアメリカに移住して、経済に貢献してくれるようにと「移民イノベーション法(2013年)」なるものが議論され始めています。

↑マイクロソフト現CEO、サトヤ・ナデラ氏もインドからの移民。(Pic by Flickr)

移民はアメリカの人口の12%ほどに過ぎませんが、アメリカの取得する国際特許の25%以上を創出し、博士号を持つ科学系および工学労働者の半数近く(47%)を占めており、ハーバード大学の経済学者、フリーマン氏は「今後100年」の中で次のようの述べています。

「先進国は移民をどう国から追い出そうとするか今は躍起になっているが、そのうちすぐにどう彼らに自国に来てもらえるかが問題となるだろう。」

↑イーロン・マスクも南アフリカ生まれの移民。(Pic by Flickr)

ヨーロッパやアジアでも、科学やエンジニアリングなど様々な専門分野の人材が不足しており、移民受け入れに積極的な国もあればそうでない国もありますが、専門家はアメリカの移民モデルをそのまま適応するのではなく、地元文化を汲んだ移民を受け入れることがイノベーション文化を加速させる一番の方法だと述べています。

↑オバマ大統領の父親もケニアからの移民。(Pic by Flickr)

移民を受け入れるのは何も経済規模(GDP)を維持するためだけではありません。

イギリスの世界覇権は1900年初頭に終わり、以後国力をジワジワと落としていき、現在では経済規模も人口も日本より少ないですが、ノーベル賞の受賞者は世界でダントツに多く、常に普遍的価値を生み出しているため、国力を失って100年経っても、イギリスは未だに尊敬される国であり続けています。

日本はハイテク商品を売るだけではなく、世界に認められるような普遍的価値を生み出し、外国から移民を惹きつけられるようにならなければ、次の未来を切り開いていくことはできないのかもしれません。

↑外国人が違和感なく生活できる国にしていかなければならない。(Pic by Flickr)

ソフトバンクの孫正義さんも子供の頃から「在日」と呼ばれ続け、16才でアメリカに留学して、世界中の人が違和感なく生活しているのを見て感動したそうですが、税金を優遇するだけでは、そのような感動を作ることはできません。

ニューヨークやロンドンのように常にオーラに満ち溢れて、世界中の誰もが違和感なく生活している東京の街をまだまだ想像できませんが、まずは多様性を謳歌し、他の文化を認め合うことからゆっくりと始めていく必要があるのではないでしょうか。

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ヘヤジン編集部
部屋探しが3度のご飯より好き!部屋探しによって人生をより良く変える「ヘヤ・ハッキング」の提唱者。『ヘヤじい』の愛称でもお馴染みのヘヤジン編集部員。
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