​大学生の人気就職先ランキングの上位になったら、その会社はもう落ち目

  • LINEでシェア

(Tom)

最近の新卒生たちが就職活動において、最も重視していることはやりがい」であり、外資系企業の大手コンサルや投資銀行には目もくれず、NPOなどの営利目的でない仕事に就く人達もどんどん増えているそうです。

大学生の人気就職先ランキングの上位になったら、その会社はもう落ち目だと言われ、リーマンショック前のアメリカの金融業界は、それぞれいろいろな貸付戦略を持っていた小さい銀行がたくさんいる生態系から、似通った銀行ばかりになってしまったそうですが、アメリカの石油王J・ポール・ゲッティも、次のような言葉を残しています。

「大企業に勤めるというのは、電車に乗ることに似ている。あなた自身が時速60マイルで走っているのか、あなたはただ時速60マイルの電車の中に座っているだけなのか?」

↑自分が動いているのか、それとも会社が動いているのか。(Zooka Yung)

かつてノーベル平和賞を受賞した元アメリカ大統領ウッドロー・ウィルソンは、「敵を作りたいと思うなら、何かを変えればいい」と述べましたが、結末が決まっている水戸黄門的なストーリーが高視聴率をとるように、多くの人たちは保守的で変化を好む人たちではなく、オムロンの創業者である立石一真さんは、「ブランド」に惹かれて入ってくる人が多い企業は、「大企業病」になる可能性があると述べています。

↑強いブランドは「大企業病」を引き起こす可能性がある。(Mike Mozart)

中国の史書「十八史略」の中に、「創業は易く、守成は難し」という言葉がありますが、会社の事業を存続させるほうが、創業するよりも遥かに難しく、会社の成長期を経て、「大企業病」にかかり、存続の危機に直面してしまう会社は少なくありません。

マネージメントの父と呼ばれたピーター・ドラッカーは、「成功した企業は、決まって誰かが、勇気のある決断をした」と述べていますが、創業何百年と続く企業は、その時代の経営者が過去の成功を捨て、未来に舵を進める決意をしたからこそ、現在も存在しているのであり、決して「創業◯◯年」というブランドで、何百年も続いているわけではないのです。

↑1893年創業の三菱財閥 (Takeshi Kuboki)

Twitter社では、毎週金曜日の午後は誰でも社長室に入ることができ、自由に発言できる時間を設けており、メンバー全員がリーダーとして自覚を持って活動するチームは、「一人がリーダー、その他はフォロワー」というチームよりも、長期的に見て明らかに高い結果を出せることは、様々なリサーチが証明しています。

1980年代に優良企業の特徴を分析した、「エクセレント・カンパニー」の著者トム・ピーターズは、超優良企業の特徴として、放っておけば次第に複雑になっていく自然の傾向に逆らって、あえて物事を単純化し続けることの大切さを熟知していることだと述べています。

↑大きくなれば複雑化していくシステムを常に単純化するように努力する。(opacity)

例えば、意見を交換する場所ひとつ取ってみても、日本では会議室で、いつものメンバーを想像するかもしれませんが、常に物事の単純化を意識する企業は食事をしながら、散歩をしながらなど、常にリラックスした状態でコミュニケーションを心がけます。

ボストンにあるSociometirc SolutionsのCEOのベン・ウェーバー氏は、テーブルを囲んでみんなでランチを取った場合、取らなかった場合に比べて、他のメンバーとのコミュニケーションと生産性が30%以上も向上したと報告しています。

↑一見ムダに見える会話が、長期的な財産になる。(sharyn morrow)

企業を経営していく上で、最終的に一番の付加価値になるのは、「人」そのものであり、シリコンバレーにも有名な格言として、「A級の人はA級の人と一緒に仕事をしたがる。B級の人はC級の人を採用しようとする」というものがありますが、B級の人が一人入って来ると、その人がC級の人を連れてくるため、企業の文化に少しずつ亀裂が入っていきます。

↑Aクラスの人だけと働け。(macinate)

大きな組織になってくると、企業は「子会社」を作り、組織全体を上手く仕組み化していきますが、日本企業の場合は、親会社と子会社の関係が「ダメな親子関係」を体現したものになっており、いつまでも「◯◯さんの子」と呼ばれたままで、いつまでも子が親を越えられない状態が続いてしまっています。

「子が親よりも大きくなった」例として、積水化学工業のハウス事業部からスタートし、今では完全に親会社から独立した積水ハウスがありますが、2013年の時点で、積水ハウスの株価は「元親会社」の2倍以上になっており、「◯◯さんは、あの人の子、◯◯さんは、あの人の親だったんだ」と言われるくらいの関係を目指していかなければなりません。

↑基本的に、子供は親を超えるもの。(.jocelyn.)

タワーズペリン社が世界16カ国、8万5000人の従業員を対象に実施した調査では、日本人の働く意欲は世界最下位で、「仕事に前向き」と答えた社員はなんとわずが2%、逆に「イヤイヤ働いている」と答えた社員は40%で、これまで日本経済を支えてきた「勤勉さ」も少しずつ怪しくなってきています。

イギリスの歴史学者アーノルド・トインビーは、文明は外部からの攻撃ではなく、内部からの崩壊によって破滅すると述べましたが、実は会社も国も実態はほとんど同じで、外部からの圧力は意外と少ないのかもしれません。

  • LINEでシェア
夏目 力 (Leading&Co.)
リーディング&カンパニー創業者。
スーツが嫌いで、レッドブルとお風呂が大好きなクリエイター。現在、スイスに住む方法を東京で模索中。
NEXT STORY
ロバート・キヨサキ「すべての人がお金を使うのだから、なぜ学校でお金について教えてないのか、不思議でしょうがない。」
ビジネス 2015.7.15 ロバート・キヨサキ「すべての人がお金を使うのだから、なぜ学校でお金について教えてないのか、不思議でしょうがない。」 お金について学ぶ事で、お金に支配されているこの世の中に疑問を持つ思考ができ、本当に大事なものにエネルギーを注ぐ事ができるようになるかもしれ…