​金持ちは都市の文化なんて気にしない。

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↑Pic by Flickr

近年、文化の発信地であるニューヨークやロンドンなどの家賃が上がっており、従来の大都市は新しい文化の発信地から、ビジネスフレンドリーな街、もしくはお金持ちが住む街に変化し始めています。

特にロンドンは昨年から平均家賃が18%増加しており、2012年から2013年の間に約6万人がロンドンから他の街に移っています。ニューヨークでもクリエイティブな人がどんどん他の街へ移り住み、イタリアからニューヨークに移り住んだ音楽家のDavid Byrneさんは、次のように述べています。

「ニューヨークのクリエイティビティがあと1%でも外に出ていったら、私はこの街を出ていきます。」

↑文化の街がどんどんビジネスの街になっていく。 (Pic by Flickr)

イギリスのドレスアップ・アーティスト、Grayson Perryさんは、「金持ちは都市の文化なんて気にしない。」と述べており、グローバリゼーションを通じて都市がどんどん変化していくなかで、行政と地元の人々がしっかりと協力し、都市が歩んで来た歴史に裏付けられた嘘のない都市文化を構築していかなければなりません。

ドイツ第2の都市、ハンブルグでも文化や地元の人々に焦点を当てたクリエイティブ都市のアイディアに基づき、使われなくなった工場施設などを利用して、大規模な都市開発が行われる予定でしたが、地元のスクワッター(持ち主に家賃も払わず、勝手に空き家に住み込んでしまう不法占拠者)の反対活動によって、中止に追い込まれてしまいました。

↑地元住民の抵抗「トップダウンで無理やり都市開発をしても、絶対に上手くいなかい。」 (Pic by Flickr)

都市の再開発には、「クリエイティブ」という名の元に始まる嘘だらけのリノベーションではなく、本物の人、本物の建物、そして本物の歴史に基づく必要があり、現在、市民の多くがクリエイティブな仕事をしているアムステルダムヘルシンキでは、スクワッターに上手く協力を求めることで、20世紀の経済モデルから21世紀のクリエイティブ経済にシフトしてきました。

クリエイティブ都市になるために、スクワッターが必要なわけではありませんが、行政のスクワッターに対する姿勢は、寛容性の指標、もしくはイノベーションには欠かせない意見交換のバロメーターとして注目されています。

↑不法占拠者を都市開発に参加させろ。(Pic by Flickr)

現在、最もクールな街の一つとして知られるベルリンも過去の経済モデルから、本当に良い音楽を提供し、その場にいる人をシンクロさせる「アンダーグラウンドな文化」を根付かせることに成功し、現在ではプロのミュージシャンも含めて2億人のユーザーを抱える「サウンドクラウド」などのスタートアップも成功を収めています。

あるレーベルのオーナーは次のように述べています。

「ベルリンはレディー・ガガやポール・ヴァン・ダイクなど聴かない。ここはアンダーグラウンドの首都だ。」

↑ベルリンはアンダーグラウンドの首都。(Pic by Flickr)

クリエイティブな人たちは、高級感のある街や税制面で優遇される街に移住するわけではなく、一番自分らしくいられるところへ猫の群れのように移動していきます。

行政も即座に成長する才能だけに投資するのではなく、新たに才能を開花させる文化に中長期的な目線で投資していく必要があるのではないでしょうか。

何もビジネスフレンドリーな街だけが成功を収めるわけではありません。遊びと仕事の境界線が曖昧になってきている現在、クリエイティブな人たちはお金以上のモノを求めて、新しい街に移住していきます。

自分を認めてくれる場所を求めて。

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ヘヤジン編集部
部屋探しが3度のご飯より好き!部屋探しによって人生をより良く変える「ヘヤ・ハッキング」の提唱者。『ヘヤじい』の愛称でもお馴染みのヘヤジン編集部員。
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