​エマ・ワトソン「なんで男性は弱さを見せるのが苦手なのかしら」

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Marco Bond

アメリカで行われた調査によれば、「男性がもっと女性のような発想で動けば、世界はもっと好ましい方向に進むだろう」という意見に世界の男性の63%、日本人男性では79%が賛成したそうですが、消費者行動の研究家として知られるジョン・ガーズマ氏の調査でも、日本と韓国の若者の4人に3人が、男性の振る舞いを批判的に見ているという結果が出ています。

しかし、2013年の内閣府の発表によれば、日本の女性管理職の比率は11.1%で、日本社会はまだまだ、ギスギスした男社会で回っており、女性の社会的地位はとても低いのが現状のようです。

↑男性が女性のような価値観で動けば、世界はもっと好ましい方向に進む (Adam Tinworth)

金融危機によって、世間から信頼される企業は50%も減り、この理由を掘り下げていくと、人々の不満は政府や経済だけではなく、男性に向けられていることが分かってきています。

日本でも、「男とは攻撃的でアグレッシブであるべき」という思想から、傲慢な態度で部下ににらみをきかせ、きついノルマをかすブラック上司が多く存在し、日本労働組合が行ったアンケートでも、4人に1人が勤務先を「ブラック企業」だと思っているという結果が出ています。

↑4人に1人が勤務先を「ブラック企業」と認識 (tokyoform)

実際、男性的であろうとする働き方が男性達自身を苦しめており、2014年の経済協力開発機構の調査によれば、日本の男性は、休日も含む1日当たりの平均労働時間は375分と、OECD26ヵ国の中でも最長で、フランスと比べると日本の男性の労働時間は2倍、過労死で亡くなる人も5年間で2,253人と、この数字は世界的に見ても明らかに異常なことに、そろそろ私たちも気づくべきなのかもしれません。

↑男性的であろうとする働き方が、男性自身を苦しめている (Coal Miki)

マイクロソフトに指紋認証システムを売却し、現在はベンチャー投資家として活躍する斉藤ウィリアムさんは、日本には共有やコミュニケーションをベースとした、「チーム」という考え方が存在しないと指摘しており、経済が相互に依存し合う状況では、攻撃や支配といった「個の強さ」を強調する男性的考え方は、共創や協働といった女性的な考え方よりも劣るものだと考えられます。

↑経済が相互に依存し合う世界では、男性的な考え方は歓迎されない (hackNY.org)

女優のエマ・ワトソンは、国連のスピーチで次のように述べました。

「弱いと思われるのが嫌だからと言って、男性は心が弱っているのに助けを求めようとしません。その結果、イギリスの20歳から49歳の男性は、交通事故、ガン、心臓疾患よりも自殺によって命を落とす方が圧倒的に多いのです。」

ある調査でも、女性的な発想をする人は、男性的な発想をする人よりも幸せを感じ、将来を楽観視する割合が2倍も多いことが分かっています。

↑男らしくいるって疲れない? (TechCrunch)

フェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグ、元国務長官のコンドリーザ・ライス、そしてアメリカガールスカウト協会CEOのアナ・マリア・チェベズの3人は、女性として企業や政府のトップで働いた経験を生かし、時に女性のリーダーを差別する表現にも使われる、「Bossy(生意気、仕切りたがり)」という言葉を禁止しようというキャンペーンを始めました。

国レベルで見てみても、女性的な発想と行動が強く定着した国ほど、一人当たりのGDPや生活の質が高いことが、さまざまな調査によって分かっています。

↑女性的な発想と行動が強く定着した国ほど、その国の生活は豊か (World Economic Forum)

恐らく、この女性的価値観の台頭は「男性時代の終わり」を告げるものではなく、むしろ自然な調和を実現しようとしています。

ジョン・ガーズマ氏の調査によれば、「いまの世の中で成功するには、男性的、女性的の両方の特徴が必要とされる」と考える人が、81%にも達しているそうです。

実際、男性的な発想では、手柄は誰か一人のものとされがちですが、一人の力で変革を長続きさせる事は難しく、女性的な発想で協力や合意のよりどころを見つけなければ、持続性のある改革を実現することはできません。

↑男性的な価値観の終わりを告げるものではなく、自然な調和を生み出すもの (Sebastiaan ter Burg)

特に日本のような男社会では、女性リーダーの下で働くのは違和感があるという男性も多く、変なプライドと価値観が大きな時代の変化を拒んでいるようにも見えます。

しかし、働き手が不足する日本で、女性の社会進出が増えるのは確実ですし、ただ世間的に、「女性の新しい働き方をサポートします」と述べるのではなく、本当の意味で女性的思想を経営に取り入れていくことのできる企業が、時代の新しい流れを作っていく、そんな時期にさしかかっているのかもしれません。

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ヘヤジン編集部
部屋探しが3度のご飯より好き!部屋探しによって人生をより良く変える「ヘヤ・ハッキング」の提唱者。『ヘヤじい』の愛称でもお馴染みのヘヤジン編集部員。
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