世界一若い億万長者「モノから幸せを得ることはできない。これが僕の出した結論。」

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(Pic by Flickr)

資本主義が全盛期であった20世紀でさえ、「お金=幸せ」を論理的に立証できた学者はいませんでしたが、多くの人はお金があれば大きな家に住めたり、複数の車を所有できるなど、物理的なモノを所有するために、お金を求めて働き、自分の存在感を周りにアピールしてきました。

21世紀に入り、リーマンショックを経て、経済的価値観が大きく変わり、米国の2014年の持ち家率は、1995年以降最低の64.4%を記録していますが、このマイホーム離れの要因は、どうも経済的な理由だけではなさそうです。

↑多くの人が自分の欲を満たすために、物理的なモノを自分の周りに増やしていった。(Pic by Flickr)

もちろん、家や車などの物理的なモノの所有欲求は未だに残りますが、近年ITの急成長によって、巨額の富を得た起業家の生活に目を向けてみると、家や車、そして従来の贅沢品にお金を使う人たちが徐々に減ってきているように感じます。

ニューヨーク大学のEdward Wolff教授は、近年成功した起業家は、失敗した時の辛さも十分に理解しており、自分たちの生活がいつまで続くか分からないと、注意深くなっていると述べていますが、時代によって、自分の存在感をアピールする方法は、根本的に違ってくるのではないでしょうか。

↑巨額の富を得ても、シンプルな生活を好む起業家が増えている。(Pic by Flickr)

例えば、ハーバード大学でマーク・ザッカーバーグとともに、フェイスブックを立ち上げたDustin Moskovitz氏は現在、世界一若い億万長者の一人で、ほしいものは何でも買える経済状態にありますが、「モノから幸せを得ることはできない」と述べ、マンション暮らしの自転車通勤、さらには慈善団体に寄付しているために節約していると言います。

↑世界一若い億万長者長者「モノから幸せを得ることはできない。これが僕の出した結論。」(Pic by Flickr)

同じくフェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグ氏も、最近購入した家はたった700万円、車はホンダのブランドアキュラで、必要最低限のモノしか購入しないと宣言し、最近一番大きい買い物と言えば、ニュージャージー州の小学校に一億円寄付したことだそうです。

ドロップボックスCEOのDrew Houstonに言わせれば、道路を走るために高級車は必要なく、そんなことよりも、たくさんの人を支えるサービスを作るための自由と独立のほうが何十倍も大切だと断言しています。

↑ドロップボックスCEO「高級車なんかよりも、独立と自由の方が何十倍も大切。」(Pic by Flickr)

過去何年間もビル・ゲイツと長者番付を競い合い、総資産は5兆円とも言われているウォーレン・バフェットは、何も彼の5兆円の資産が世間の注目を集めているわけではなく、世界一の大金持ちになっても、アメリカの田舎で一般人と同じ家に住み、質素な暮らしをしていることが、世界中の人の目を引いています。

↑世界一のお金持ちになっても、一般人と同じ質素な生活を続けるウォーレン・バフェット。(Pic by Flickr)

どれだけ時代が進んでも人間が存在し続ける限り、人に認められたいという欲求は変わりませんが、従来は自分の存在感を示すものが家と車だったのに対し、ソーシャルメディアなどの発達により、「自分の存在感を示すストーリー」を世界中の人たちに自由に伝えられるようになりました。

ドイツでフードコンサルタントを務める、Manuela Rehnさんによれば、昔は料理は「しなければいけないものだった」が、現在は料理をする時間があり、料理に詳しいことが自分を示す一つのシンボルになりつつあります。

↑現在は大きな家より、料理が上手いほうが自分の存在感を示すシンボルになる。(Pic by Flickr)

少し前まで、趣味を他人に伝えて存在感を示す手段はありませんでしたが、現在はそれができるようになったため、わざわざ大きな家や車を持って、自分の存在感を示す必要はありません。

現在、18歳から29歳の若者の62%が郊外に大きな家を建てるよりも、仕事場、図書館、学校、そして公共の交通機関が充実した場所に住みたいと考えており、16歳から34歳で、車の免許を持たない若者は、2001年には21%でしたが、2010年には26%になっており、車を所有せず徒歩や公共の交通機関を使う人が年々増えています。

↑従来のシンボルを乗り捨てて、もっと自分の存在感を示すライフスタイルへ。(Pic by Flickr)

20世紀のアメリカでは、家と車が自分の存在感を示すシンボルだと誰もが信じていましたが、新しいモノを生み出し続けている起業家や最近の若者を見ても、従来の考え方が少しずつ変化してきているようです。

自分の存在感を自分らしいやり方で証明できる、生きやすい時代がもうすぐそこまで来ているのかもしれません。

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ヘヤジン編集部
部屋探しが3度のご飯より好き!部屋探しによって人生をより良く変える「ヘヤ・ハッキング」の提唱者。『ヘヤじい』の愛称でもお馴染みのヘヤジン編集部員。
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